09.02.05
動き出す超巨大市場・・・「BOP」を狙え!
最近、欧米企業の一部のビジネスエリートの間で囁かれ始めた新たなキーワードがある。「BOP」、ボトム・オブ・ザ・ピラミッドの頭文字だ。所得階層ピラミッドの下辺(貧困層)を意味するこの言葉を、ある人は「世界史上、類を見ない大きなチャンスに恵まれた新興市場」と語る。貧困層が巨大市場に? そんな驚くべき見方には理論的根拠もあれば実例もある。先進各国で市場の成熟が叫ばれ、中国の発展にもバブルの暗雲が漂う今、より多くのチャンスを求める者たちは視点を大胆に転換し始めた。
世界40〜50億人の貧困層
世界には今、一日2ドル以下で生活する貧困層が40〜50億人いると言われている。これだけモノがあふれた現代日本にいると忘れがちだが、全世界の大半は、日本人とは比較にならないほど貧しい生活水準の中で生きているのである。
最近「ホワイトバンド運動」の盛り上がりに見られるように貧困問題に対する関心は国内でも徐々に高まっている。また、NGOによる支援活動も国際的に活発化しているようだ。ただ、そうした問題意識の高まりや支援活動は、これまでも度々見られたことである。
貧困問題は、NGOの支援活動や、財団や一般市民からの寄付、あるいは先進国政府の国際協力という文脈で捉えられることがほとんどだ。
そして、そうした取り組みだけでは、貧困問題を根本から解決することは不可能である。それに、無償援助や寄付によってもたらされる富は、開発途上国を依存させ、自律的な経済発展の芽を摘んでしまう恐れすらあるのだ。その場合、彼等はいつまでも「貧困層」に留まってしまう。
貧困問題を真に解決しようとするなら、40億とも50億とも言われる貧困層の人々を「寄付の対象」から「顧客」に変えることが必要だ。貧困層の人々の需要を喚起し、マーケットを成立させ、ビジネスを展開させなければならない。それが雇用の増加、所得水準と購買力の向上、新たな需要の拡大、??貧困の撲滅と自律的な経済成長につながっていく。
勿論、それはODA(政府開発援助)の利権絡みのビジネスでなく、また企業の社会貢献としての取り組みでもない。民間企業が「利益」を求めて貧困層に製品・サービスを提供する、市場原理に基づく事業展開が行なわれるようになることが重要なのだ。
そして、それは可能なのである。
BRICsよりも巨大なBOP市場
米投資銀行ゴールドマン・サックスが「BRICsと夢見る??2050年への道」と題する投資家向けレポートを発表したのは2003年。ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を取ったBRICsは、以来有力な新興市場として全世界的に注目を集めている。その経済規模は2039年には現在の経済大国トップ6であるアメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアの合計を上回ると予測され、世界経済の構造も政治的なパワーバランスも大きく塗り替えられると見られている。
そのBRICsを上回る広範な層を射程に入れた概念であり、BRICsの台頭以上に大きなインパクトをもたらすと考えられるのが「BOP市場」だ。
ボトム・オブ・ザ・ピラミッド、経済ピラミッドの底辺に位置する貧困層を、世界最大の成長市場ととらえる見方が、昨年来、欧米の学者や一部のビジネスマンの間に広がりつつある。
貧困層は、その名の通り極めて小さな購買力しか持たない人々である。このため、これまで先進各国の企業は、これらを「顧客」や「市場」としては認識してこなかった。開発途上国に進出する際、企業はその国の一握りの富裕層をターゲットとし、人口の大半を占める貧困層は、廉価な労働力と見なすか、視界から除外するかのいずれかであった。このため、経済成長著しい中国でも、沿岸部の目覚しい発展とは裏腹に、内陸部には文字も読めない貧困層があふれている。
だが、BOPの人口は既に述べた通り40億とも50億とも言われるほど多い。顧客単価は低くても規模の利益がはたらく上に、現状では製品・サービスの供給主体が少なく、巨大な先行者利益を確保可能な未開の市場として残されているのだ。
新たな発想で挑むネクスト・マーケット
BOPという言葉を生んだのはアメリカでベストセラーとなった、C.K.プラハラード著『The Fortune at the Bottom of the Pyramid』だ。コア・コンピタンスの概念を提唱して1990年代のビジネス界に多大な影響を与えたプラハラードが、構想10年、多数の貧困国でのフィールドワークを通じて書き上げた。日本でも今年9月、『ネクスト・マーケット』の邦題で発売される。
プラハラードは、BOP市場について幾つもの興味深い特質を指摘している。例えば、貧困層の人々が強い「ブランド志向」を持つことや、貧困層の人々の間でモバイル通信機器の利用が普及しており、横方向のネットワークや口コミの伝播力も強いなど、これまで先進国では知られていなかった現実が存在する。
ただし、BOP市場に食い込むためには、新しいビジネス上の発想が必要となる。プラハラードは、これまで先進国の企業がBOP市場へのアプローチに失敗してきた理由を、その発想の転換ができなかったことにあるとしている。
「それらはもともと欧米向けに価格設定、開発されたものであったため、BOP市場の潜在顧客にとって手の届くものでなかった。さらに注目すべきは、そのほとんどのデザインや機能が市場に適していなかった」(前掲書)
先進国の人々とも途上国の富裕層とも異なる、購買力の乏しい人々に製品・サービスを売るには、マーケティングやプロモーション、販売チャネルやパッケージングにBOP向けの工夫を凝らさなくてはならない。また、低単価の製品・サービス提供を可能にするため、コストパフォーマンスの劇的な向上が必要だ。市場規模の拡大を前提とした上で、これらの取り組みを成功させれば、企業は莫大な利益を手にすることが可能となる。
プラハラードは『ネクスト・マーケット』で、その具体的な施策を理論的に解説、この成長市場へ進出する際のガイドラインを示している。また、同書では現にBOP市場への進出を始めた企業の事例が多数紹介されており興味深い。
生活苦から搾取的な高利貸しへの依存が蔓延していたインドの貧困層に、マイクロファイナンス(超小口金融)事業でアプローチし利益を挙げているICICI銀行。これまで銀行融資の対象として考えられていなかった農村部の貧困層が融資を活用しており、それは経済の底上げと貧困の撲滅につながっていくと考えられる。
「ICICIは、あくまでビジネスとして成り立つインド農村部への融資事業を行う」(前掲書)
そう、それは援助でも救済でもない。需要を掘り起こし、顧客のニーズに応えるというビジネスの論理を適正に用いた結果である。ビジネスが、利益を挙げるのと同時に「貧困層」を「世界最大の市場」に変えていく。そんな世界経済史上の劇的な変化が、いま起ころうとしているのだ。

☆エンコレ☆ Said:
9月 20, 2005 at 17:43:04
まだまだコレからです!!
総合エンターテイメントBrog!メジャーなネタからアンダーグラウンドまで幅広く楽しいネタを提供していきたいなって思ってます!是非寄っていって下さい!!http://blog.goo.ne.jp/natue…
ホンネの投資ノウハウ集 Said:
11月 11, 2005 at 21:06:55
BRICsバブル〜危惧すべき株価上昇率
最近、ブラジル、ロシア、インド、中国などのエマージングマーケットのファンドが次々に出され、BRICs(ブリックス)という言葉が注目されている。長期的には有望だ、とされて…