「チーム」から「チーミング」へ――変化するチームワークの中でリーダーは何をすべきか?

変容するチームワークのあり方

 

世の中が複雑化する中で、チームワークのあり方が変わって来ています。

一つの専門分野はどんどん細分化されていき、リーダーやマネージャーが一人で全てを把握することは非常に難しくなっています。そのため、それぞれの専門家たちの力を引き出し、団結させる必要性がますます高まっています。

また、現代の「チーム」は、スポーツチームや音楽家グループのように、物理的に同じ場所にいて、じっくりメンバー間の信頼を築く時間がある、固定されたものばかりではありません。一時的なプロジェクトチームのように、集合と解散を繰り返す流動的なチームが増えてきているのです。

これらの環境の中で、効果的な協働を生み出すためには何が必要でしょうか?

b51526efcd922dd6a51ec30c84a8ec5b_s

 

 

「チーミング」という新しい考え方

 

『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』 (著:エイミー・C・エドモンドソン)では、「チーミング」という概念を提唱しています。

「チーム」が集団の固定的で安定した構造を表す「名詞」だとすれば、「チーミング」は絶え間なくチームワークを実践し続ける「動詞」です。

そしてチーミングに不可欠なものが「学習を促す環境づくり」なのです。

この記事では、組織学習が促されるリーダーシップ行動の一つ「学習するための骨組みをつくる(フレーミング)」をご紹介します。

787ccddcba0f1f45d3013509a00177f2_s

 

 

フレーミングの力

 

ある状況についての一連の思い込みや信念のことを「フレーム」と言います。フレームは過去の経験によって形づくられ、現在の状況に対する考え方・感じ方を左右する力を持っています。

チーミングが機能する組織にするために、リーダーは様々な建設的なフレーミングを行う必要があります。

以下は、フレーミングの違いによって取り組みの成否が左右された事例です。

著者のエイミー氏は16の病院において、従来の方法よりも患者に負担の少ない心臓手術である低侵襲心臓手術(MICS)の導入についてリサーチしました。

MICSは患者を早く回復させることができ、また結果的にこの技術を導入する病院に競争優位をもたらすものでした。しかし、従来の方法とあまりにかけ離れた技術だった為、導入すれば手術チームにとっては様々な変更が伴うチャレンジングなものでした。

導入を断念した病院と導入に成功した病院の間には、次のようなフレーミングの違いがあることが発覚します。

901ddc97a4e6b2d697d9b0273cbee932_s

①リーダーの役割
導入を断念した病院では、リーダーは自身を「一個人の専門家」としてフレーミングしていました。対して成功した病院では、リーダーは自身を相互依存するチームリーダー」としてフレーミングし、「自分も間違うことがある」「他人の意見を必要としている」「他のメンバーを頼っている」ことを口にし、強調していました。

②チームの役割
導入を断念した病院では、リーダーはメンバーのことを「技術に長けた補助スタッフ」としてフレーミングしており、メンバーを大切な仲間や先駆的な学者だと思わず、ただの作業者として考えてしまっていました。対して成功した病院では、リーダーはメンバーを「権限を与えられたパートナー」としてフレーミングし、メンバー全員がプロジェクトに対して責任感を持ち、その成功に自分が重要な役割を担っていると感じていました。

③プロジェクトの目的
導入を断念した病院では、リーダーはプロジェクトの目的を「受け身で消極的なもの」としてフレーミングしており、新しい技術の導入を「必要で耐えるほかない重荷」としてとらえていました。対して成功した病院では、リーダーはプロジェクトの目的を「向上心あふれるもの」としてフレーミングし、患者の利益を重視し、新たな領域へ到達する意欲を高めていました。

スクリーンショット 2015-03-04 13.13.09

上記のMICSの導入に成功した病院のように、リーダーが、自分はメンバーと相互依存していると感じ、メンバーを重要なパートナーと捉え、向上心を刺激する目的を考えるようなフレーミングを「学習フレーム」と言います。

リーダーは、状況をフレーミングあるいはリフレーミングすることで、その状況に対する人々の対応の仕方やかかわり方に強力な影響をもたらします。建設的な学習フレームができているか…リーダーの立場にある方はフレームを見直してみてはいかがでしょうか?

 

 

『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』 では、上記のフレーミングの他にも、組織学習が促されるリーダーシップ行動を複数挙げています。

■行動1:学習するための骨組みをつくる(フレーミング)
■行動2:心理的に安全な場をつくる
■行動3:失敗から学ぶ
■行動4:職業的、文化的な境界をつなぐ

本書はビジネス誌の『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』における「読者が選ぶベスト経営書2014」にて、15位に選んでいただいています。

チームワークのあり方が変化する中で、新しいリーダーシップのあり方を本書でぜひ探ってみてください!

カバー
『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です