一人で深く突き詰めたものが、だれかとつながる瞬間【『夢とスランプを乗りこなせ』著者ベンさん、メビック扇町へ(後編)】

『夢とスランプを乗りこなせ―ぼくがクリエイターとして生きていく方法』の著者でイラストレーターのベン・タロンさん。初来日で、メビック扇町さんを訪れました。
レポート後半では、メビック扇町のクリエイティブメンターでグラフィックデザイナーの清水柾行さんから伺ったわたしのマチオモイ帖のお話をお届けします。

自分の中の「町への思い」と向き合うこと


マチオモイ帖
とは、日本各地のクリエイターが、大切なふるさとの町、学生時代を過ごした町や今暮らす町など、それぞれのおもいが詰まった町を、自分だけの目線で切り取り、手の中に入るぐらいの冊子や映像にして、展覧会などで届けるプロジェクト。「町」をおもう「帖面」の略で、2011年の震災の年に生まれました。

マチオモイ帖の特徴は、それぞれのクリエイターが、「誰かのために」というより、自分のために、自分が感じる町への思いと向き合って表現することだといいます。

面白いのが、全然違う地域について、全然違う人がつくったマチオモイ帖なのに、なぜか同じことを表現していたりすることが、けっこうあるんだよね。

と清水さん。
ベンさんは、この言葉にはっとしたよう。

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自分の思いをぐっと引き出すと、
つながるものがある

実はベンさん、『夢とスランプを乗りこなせ』の執筆には、3年かかったといいます。

ぼくの個人的なストーリーが、人にどう響くんだろう?
というのが、ずっと気になっていました。
でも、自分の内面と向き合って、心から感じたこと、正直な経験をなんとか書いていったんです。

そうして、本を出してみたら、びっくりするほど、ぼくと同じ悩みや情熱を持っていたというクリエイターやフリーランサーがいました。

ベンさんの本をプロデュースするなかで、原書の読者の感想をチェックしていて、何度も目にしたのが、”I like Ben’s honest story” “I was encouraged by his honest story”というように、honest story(正直なストーリー)に後押しされたという人たちの言葉です。

その”honest”という言葉がなにを意味するのか、私はこのやりとりを聞いて、あらためて理解した気がします。
ただ赤裸々というわけではなくて、自分ととことん向き合って、その中身をぐっと引き出して、表現し、誰かに見せること。

本当の思いが表現されていると、全然違う場所や人でもつながる

マチオモイ帖とベンさんの本の間にある共通性に、クリエイターやアーティストと呼ばれる人がやっていることの本質を見た気がしました。

全国のマチオモイ帖 展示中

こちらのマチオモイ帖、現在メビック扇町さんで展示されています。

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メビック扇町さんに伺ったのは展示会がはじまる前だったので、私たちは過去のものを見せていただいたのですが、それぞれの個性や込められた思いにぐっとひきこまれました!

my home town わたしのマチオモイ帖 -おもいを届ける冬-

2016年12月9日(金)~2017年1月29日(日)
平日:11:00~21:00 土日祝:11:00~19:00
年末年始の休み:12月26日(月)~1月5日(木)
会場:メビック扇町
入場料:無料

 

ちなみに、本当に偶然なのですが、ベンさんが英治出版へのプレゼントとして持ってきてくださったのは、ベンさんの故郷の町の風景の絵でした……!

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