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孤立するクリエイターたちをつなぐには?【『夢とスランプを乗りこなせ』著者ベンさん、メビック扇町へ(前編)】

『夢とスランプを乗りこなせ―ぼくがクリエイターとして生きていく方法』の著者でイラストレーターのベン・タロンさんとパートナーでグラフィックデザイナーのローラさん。

今回初来日で、各地をまわったお二人ですが、大阪ではクリエイター支援施設のメビック扇町さんに訪問し、所長でチーフコーディネーターの堂野智史さん、クリエイティブメンターでグラフィックデザイナーの清水柾行さんにお話を伺いました。

10年以上大阪のクリエイターをつないできたメビック扇町さんのお話に、「とてもインスパイアされた!」と言っていたベンさん。
その模様を前編・後編に分けて、本書の編集を担当した私、安村がお届けします!

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孤立するクリエイターをひっぱりだすには?

いまや大阪で活動するクリエイターの一大コミュニティとなっているメビック扇町さんですが、設立当初の課題は、孤立して活動するクリエイターたちをひっぱりだし、互いにつながりをつくることでした。

堂野さんがメビックに着任した当初、大阪にいたクリエイターの多くは、それぞれが自分の事務所にこもって仕事をしていて、お互いがつながることに、積極的でなかったといいます。
(これには、スランプで滅入っていた時期、家にこもって一人髭剃りを趣味にしていたこともあるベンさん、大きくうなずいていました)

彼らに、単に「コミュニティをつくるから、お会いできませんか」と言っても、断られてしまう…
そこで、堂野さんたちがとった作戦は、クリエイターたちの情報を集めたウェブサイトをつくって、「サイトに情報を載せませんか?」と声をかけてまわること。
自分の仕事のアピールになるということで、これには「ぜひ!」というクリエイターが徐々に増えていきました。

そして、OKをもらったら、単にデータを送ってもらうのではなく、「掲載情報のご相談をしに、一度会いに行きますよ」と言って、一人ひとりに実際に会いに行くきっかけにしたのです。

こうしてクリエイターたちとの顔の見える関係が築かれていきました。
いまやこのクリエイティブクラスターへの登録数は、1195社! 国内最大級の情報量という結果まで、ついてきたのです。

クリエイターを呼べるのは、クリエイター

こうして生まれた、大阪のクリエイターたちのコミュニティ。
これを拡大する役割を果たしているのが、クリエイターや企業の事務所を訪問し、仕事の内容やこだわり等について情報交換をする「クリエイティブコーディネーター」です。

鍵はコーディネーター自身も、現役クリエイターであることなんですわ。
クリエイターでない人が「いいコミュニティやイベントがありますよ」と言ってもなかなかインパクトがないけど、同じクリエイターに「あそこ行くとええよ」と言われると、「それなら行ってみようかな」となるんです。

と堂野さん。
現役クリエイターとして、本やイベントで経験や情報をシェアしているベンさんも、このコーディネーターの仕組みには「amazing!」と言っていました。
(そして、日々「どうすれば本を届けることができるだろう?」と試行錯誤中の英治出版の私も、とても感銘をうけました)

大阪人とマンチェスタリアン

メビック扇町さんにクリエイターが集まるもう一つの理由は、企業とクリエイターをマッチングするイベントを頻繁に行っていること。

そこから新しいコラボレ商品やプロジェクトが、数多く生まれているそうです。

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(↑コラボレーションは、毎年冊子にまとめられています)

現在は首都ロンドンで活動しているベンさん。
実は、ちょうど元々活動していたマンチェスターに拠点を戻そうとしているところでした。

政府の方針や地価の上昇で、ロンドンのクリエイタースペースは、どんどん辺鄙なところに追いやられていて、マンチェスターに戻るつもりではいたんです。
でも、やっぱりロンドンと比べると、マンチェスターに仕事は少ないし、クリエイターのつながりも薄い……どうしたものかとは思っていたところでした。
メビック扇町さんの取り組みは、本当にインスパイアリングで、マンチェスターに戻ったら、ぜひやっていきたいと思います!

ここで、堂野さんから、首都・東京とは一味違う「大阪人」魂があるのだと説明があると、ベンさんからもマンチェスターにもロンドンにちょっとした対抗心を燃やす「マンチェスタリアン」魂があるというお話が!

We are 大阪人 & マンチェスタリアン や~

と意気投合されていました。

そして、このあとは、メビック扇町さんが行っているマチオモイ帖というプロジェクトについてのお話を聞くと、ここにもベンさんとの共通点が。
こちらについては、レポート後半でお届けします!

 

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(↑大阪を満喫するベンさんとローラさん)

ニューヨークに行ってきました。100%ボランティア運営の書店って・・・?

英治出版社員は、1年に1度、海外に行くことができるチャンスがあります。自分で目的を設定して、行く国や現地での計画を立て、承認を得られれば出張できます。その前後にバケーションをくっつけて、他の国に行ってもよいのです。

 

今年の4月には編集の業務を中心におこなっている高野と安村がそれぞれイタリア・ボローニャとイギリス・ロンドンへ行ってきました。高野はボローニャで、ボローニャブックフェアという絵本を中心としたブックフェアを視察し、いつか絵本をつくりたいと企んでいます。安村はロンドンでブックフェアの仕事のあとにバケーションをとって、フィンランドに遊びに行っていました。現地の書店や図書館も見に行ってくれて、帰国後におみやげ話をしてくれました。

 

今月にはドイツ・フランクフルトでブックフェアが開催されるので、7月に英治出版に参画したメンバーを含めた2人がフランクフルトに行ってきます。そして先月、広報などコミュニケーション全般の業務にたずさわっている私、山見はアメリカ・ニューヨークに行ってきました。このブログでは、ニューヨークで視察した一部をご紹介したいと思います。

 

  • 100%ボランティア運営の書店

Bluestockingsという独立書店を訪問してきました。ユニークでおもしろそうな書店がないかと調べているなかで発見した書店です。フェミニズム関係の本、ジェンダーや人種、環境問題、政治などのテーマでメッセージ性が強い書籍を取り扱っている書店です。そして、もっとも関心を持ったのが、この書店が100%ボランティアで運営されている点。はじめにそのことを知ったときは、どういうことなんだろう? とすごく不思議に思いました。そんなことあり得るんだろうか? と。どうしても気になったので、友人の力も借りながら、会う約束をとりつけました。

 

  • 店内の様子

お店は、マンハッタンのロウワ―イーストサイド地区にあります。最寄り駅から10分くらい歩くと着きます。どきどきわくわくしながらお店の前に到着。外観はこんなかんじです。味のあるいい雰囲気です。

 

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お店のなかに入って、まずはぐるりと一周。ジェンダーやアナーキズム、人種、活動家の戦略、教育改革など細かいテーマ別に棚づくりがされています。移民大国アメリカらしく、ラテンアメリカやアフリカなど、各地域の歴史に関する書籍も豊富にそろっていました。

 

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このコーナーはZINEといわれる手作り冊子が置かれています。ニューヨークに到着した翌日に、ニューヨーク近代美術館の分館、MoMA PS1で開催されていたNY ART BOOK FAIRに訪れていたのですが、普通の紙にイラストや文章が印刷された手作り冊子が2~5ドルくらいで販売されていて、こういうのも売っちゃうんだ~とやや驚いていました。数日後にBluestockingsに来て、あれがZINEというものだったのだと知りました。ZINEは1990年代後半頃からアーティストたちが自分の作品を紹介したり、アピールしたりするツールとして使われてきたものだそうです。Bluestockingsでも多くのZINEが置かれていました。

 

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お店にはコーヒースタンドもあるので、コーヒーを飲みながら、本や雑誌を読んでいる方がいらっしゃいました。イベントも毎日のように開催されています。

 

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  • ボランティアスタッフのふたりの女性にインタビュー

さて、じっくり店内を見て楽しんだ後に、会う約束をしてくれていた女性にインタビューをしました。お話してくれた内容を簡単にまとめます。

 

・100%ボランティア運営というのに驚きました。全員で何人くらいのボランティアスタッフがいるのですか?

だいたい全員で80名くらいです。1人あたり1日1~3時間くらいのシフトで構成されています。週に1日だけ来る人もいれば、数日来る人もいます。どれだけコミットするかはその人次第で、来る日が少ないからだめとか、もっと来なさいという強制は一切なくて、それぞれのコミットメントや関わり方が尊重されています。

 

・ボランティアスタッフのみなさんにはどんな役割がありますか?

ボランティアスタッフのシフトを調整したり、店内の整理やレジ、本の仕入れ、イベントの企画や運営などさまざまです。コミットしている度合によって、担当できる役割に差はありますが、基本的にはその人がやりたいと思う役割をやってもらったり、できる範囲での役割を担当してもらっています。

 

・ボランティアスタッフのみなさんがここで働くモチベーションはなんですか?

モチベーションは人それぞれです。わたしの場合は、数年前にニューヨークに引っ越してきたことがきっかけでスタッフをはじめました。ニューヨークにはよく知っている人もいなかったし、本のラインナップも好きだったので。そのうち良い友だちもできて、今では働きはじめてもう数年になります。ここで知り合った人たちに良くしてきてもらったので、これからは私もそういう立場になりたいと思ってコミットしています。ときに、みんなとピクニックに行ったり、パーティーをしたりするのですが、楽しいですよ。

 

・ここでの仕事以外にもなにかされているのですか?

はい、私はアーティストです。なので、ほかの人より比較的コミットしやすいので、よくここで働いています。それに、パートナーがいるのですが、私の活動を理解してくれていて、生活も助けてもらっています。

 

ほかのスタッフにも話を聞くといいよと言ってくれて、別の女性にもお話を伺いました。

 

・あなたがここで働くモチベーションはなんですか?

わたしは数か月前にニューヨークに引っ越してきました。もともとロスにいたけど、一度ニューヨークに住みたいと思って。だけど、知っている人もあまりいないので、ここでボランティアすることにしました。今は週1日のコミットだけど、本当はもっと関わりたいと思っています。だけど、他の仕事もあるから、なかなか都合をつけるのが難しい状態です。

 

・ここでの仕事は楽しいですか?

もちろんです。ここにある本に関わるテーマのことを話すことができる仲間がいるし、ニューヨークに来てからいろいろ助けてもらったので。だから、本当はもっともっと関わりたいんです。

 

忙しいなか、たっぷりと時間をとっていろいろお話をしてくださいました。お土産にお店のオリジナルエコバッグ(少々、過激ではありますが。笑)までくれて、本当にあたたかく対応していただきました。

 

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彼女たちの話を聞いて、こういうコミュニティがあり得るんだ・・・とびっくりしたのと同時に、とても素晴らしいと思いました。それぞれの人が自立していて、かつ互いを尊重し、助けが必要なときは助け合う。こういうところが素敵なお店であり、コミュニティだと思いました。

 

また、書店のひとつのあり方として、日本でもあり得るのだろうか、ということも考えさせられました。つまり、「書店員じゃない人たち」が書店(リアル書店、ネット書店問わず)を運営していくことが成り立つのかどうか。もし、そういう書店をつくるとしたら、どんな要素があるといいだろう。自分なら、どういうものであれば関わりたいと思うんだろう・・・などなど、考えが止まらなくなります。笑 それに、今回は書店の話をしていますが、書店に限らず当てはめて考えることができるトピックかもしれません。

 

  • お店の情報

Bluestockings http://bluestockings.com/

 

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『農す神戸』を持ってNorth(北)神戸に行ってきました!! -神戸市北区の書店さん訪問記-

さて、いきなりですがここで問題! この場所はいったいどこでしょうか?

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・・・答えは、神戸電鉄の高速神戸駅のホーム。

地元の神戸市北区で『農す神戸』を販売くださっている書店さんにお邪魔するため、今日は北区へ足をのばしてまいりました。さて、いざ出発ー!三田方面行きの列車に乗り込みます。

神戸市北区へはこの神戸電鉄の他に、北神急行、神戸市バスなどの利用で、三宮からや大阪からも20~40分ほどの所要時間で到着することができます。大都市からのアクセスの良さも自慢だそうです!

さてさて、それでは『農す神戸』を片手にしばし列車の旅とまいりましょう。

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都会の喧騒を抜け、車窓からの緑が多くなったと感じるのもつかの間、「箕谷駅」に到着。いい雰囲気です。ほんとに、あっという間。

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ここからさらにバスに乗り換え二駅。まず最初に訪問したお店がこちら。

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「喜久屋書店 神戸北町店」さんです。

神戸北町の中心部にあるショッピングセンターの中にある書店さん。早速、店長の北村さんとご挨拶。北村店長とは、以前何度か書籍販売会などでご挨拶させていただいていましたが、ここでお会いするのは今回が初めて! ご無沙汰しております!!

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『農す神戸』、なんと! 一番目立つレジ前で置いてくださっておりました!!

早速、持参したポスターも設置させていただきパチリ。「お! 北区の本がでてるな!」と、レジで目について購入くださる方も多いそう。店長曰く、「北区の方は地元本が大好きなので、たくさん買っていただけると思いますよ!」とのこと。嬉しいですね。

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レジ前の他にも、農業の本の棚にもPOP付きで展開中です。

「北区では家庭菜園などをされている方も多いので、この手の本がよく動く んですよね~。」と北村店長。書籍の中で紹介されている森本さんのように、ベランダ菜園から本格的にお庭、そして畑で・・・という夢も、この北区でなら、意 外と簡単に実現できるかもしれませんね! ショッピングセンターの周りはほぼ住宅地ですが、ほんの少し離れるだけで「農」がいっぱいあふれているそうで す!!

 

さて、次の書店さんはこちら、「宮脇書店 神戸北町店」さんです。

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神戸電鉄「田尾寺」駅から徒歩5分。

余談ですが、私(ブログ作成者の田中)は徳島出身なので、宮脇書店さんに来るとなんだかとても懐かしい感じがして、ほっこりします(宮脇書店さんは香川県で創業された書店さんです)。

「(本書を)ちらっと見ると、消防団の知り合いの人が載っててねぇ~!」と、優しく話してくださる仲店長にもほっこり。『農す神戸』は、こちらのお店でもレジ前と、レジ前のエンド台の角にしっかり置いてくださっていました!! まだまだ売りますよ~と、追加注文もいただきました!

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さらに、神戸電鉄にゆられバスに乗り換えて、大きなショッピングモール(イオンモール神戸北)内にある、「喜久屋書店 北神戸店」さんに到着!

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まず目に飛び込んできたのが神戸新聞社さんのフェア。秋らしい飾りつけもとても素敵です! その一角で農業の本が集められ、『農す神戸』もパネル付きでしっかり展開くださっていました!

こちらのお店では『農す神戸』は理工書・農業の棚にメインで置いてくださっています。この書籍は、書店によって様々なジャンルの棚に置かれているのが特徴です。お客さんと書籍が、色んな出会いができるよう、書店員さんは想像力を働かせてくださっているんですね・・・!

理工書のご担当は、青山さん。このフェアも青山さんが展開されたんだとか! 自然いっぱいの里山の秋、ハイキングやお出かけがてら、『農す神戸』片手にこの北区にも遊びに来てほしいですよね!!

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北区の書店員さんは、このゆったりとした自然と同じ雰囲気をお持ちで、みなさん朗らかで親切な方ばかりでした。今日は一日、本当にありがとうございました! 緑と皆さんに、とても癒されました。

『農す神戸』はこの他、三ノ宮エリア・梅田エリアの書店さんでもしっかり展開中。売り上げも好調です!

レジ前の新刊話題書棚でばっちり展開の「ジュンク堂書店 三宮店」さん。

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「ジョブ・チェンジ」フェアを展開中の、「ジュンク堂書店 神戸さんちか店」さん。

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田舎暮らしの棚、神戸の本の棚、そして新刊話題書の棚、といろんな棚に置いてくださっている、「ジュンク堂書店 三宮駅前店」さん、「紀伊國屋書店 神戸店」さん、などなど。

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こんな素敵な北区の情報が満載の『農す神戸』、ぜひ一度お手に取ってご覧ください!!

ここから渋谷が変わる? パブリックリスニングとは。

英治出版のオフィスがある恵比寿。あまりみなさんの印象にはないかもしれませんが、じつは恵比寿は渋谷区にあります。渋谷駅と恵比寿駅周辺の雰囲気はずいぶん異なりますが同じ渋谷区なのです。

 

さて、そういうつながりもあって、渋谷のコミュニティラジオ「渋谷のラジオ」で6月からおこなっている「パブリックリスニング」に英治出版も参加しています。スポーツの試合をまちなかやお店で見るのは「パブリックビューイング」。・・・なんとなくお分かりかもしれませんが、パブリックでビューイングではなく、リスニングするのが「パブリックリスニング」です。

 

今年の4月に開局した「渋谷のラジオ」。毎週木曜日10:00は番組「渋谷つながる部」が放送されており、パブリックリスニングは毎月第1木曜日10:00~10:55の放送時間におこなっています。

 

番組のパーソナリティーはファシリテーターでフューチャーセッションズ代表の野村恭彦さんがつとめています。毎回、さまざまな分野で活動されているゲストが番組に来られます。

 

第1回目の放送のゲストは、渋谷区長の長谷部健さん、ロフトワーク代表の林千晶さん、ETIC.代表の宮城治男さんでした。

 

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第2回目は、サイバーエージェント・クラウドファンディングの坊垣佳奈さん、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の神武直彦さん、渋谷区役所の笠間武彦さん。

 

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第3回目は、コミュニティオーガナイジングジャパン代表の鎌田華乃子さん、渋谷区役所の奥野和宏さんでした。

 

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スタジオで野村さんとゲストの方々の対話が繰り広げられている間、複数あるパブリックリスニング会場では、ラジオを通じて彼らの対話を聞いたり、会場に集まった人たち同士でもスタジオで話されているテーマについて話をしています。

 

パブリックリスニングの会場は現在、代官山(代官山商店会の皆さんが集まって、代官山にあるカフェや商店会事務局で参加されています。)、ロフトワークFabCafeEIJI PRESS Labの3つ。番組の中盤にさしかかると、スタジオの野村さんから各パブリックリスニング会場へ電話がかかってきます(電話がかかってくるまでの時間とその瞬間は、なぜかとっても緊張するのです!笑)。「会場ではどんなことが話されましたか?」というスタジオからの問いに、会場の皆で答える。その話を受けて、また別の会場に電話をかける。パブリックリスニングはこのようにしておこなわれています。

 

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↑代官山商店会の皆さん

 

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↑FabCafe会場の様子

 

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↑EIJI PRESS Lab会場の様子

 

ところで、「何のためにパブリックリスニングを・・・?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

実はこれ、野村さんたちが実施している「渋谷4.0プロジェクト(都市のプラットフォームとしてのイノベーションファシリテーターが、まち全体を対話でつないで、行政・企業・NPOの横断的なソーシャルデザイン・プロジェクト)」の一環としておこなう実験なのです。ラジオを介して、まちの人たちと対話をする仕組みをつくって、その上でまちの課題や課題を解決に導くリソースを持ち寄る、そういうことができないかという取り組みです。

 

第2回目の放送のときのテーマは、「役所が抱える地域の課題をどうやって、うまく区民やそこで働く人に伝えるか、あるいは、区民や働く人たちがどんな方法でやってみたいことなどを役所まで届けられるか」。パブリックリスニング会場のひとつEIJI PRESS Labでは、「クラウドファンディングで役所がプロジェクトを立ち上げて区民は好きなプロジェクトに納税できるシステムをつくる」というアイデアがでてきました。

 

8月4日におこなわれた第3回目のテーマは「渋谷のために行動する市民を増やすには?」でした。「渋谷に対する課題を持っている人をラジオ出演してもらうのはどうだろう? マイクと時間だけを用意するので課題意識を持っている人がラジオで発信する」や「(前出のアイデアに対して)やや、ハードルが高い気がする。だから、ランチなどごはんを食べる気軽なシチュエーションをつくってその場でいろいろ話せる仕組みをつくるといいのでは」などのアイデアがでてきました。ときにテーマから脱線して「英治出版は恵比寿にあるから、渋谷といえば渋谷だけど、帰属意識としては恵比寿の方が強い。だから渋谷を考えるのは、範囲が広い感覚がある。もしかすると、渋谷をもう少し細分化して範囲を狭めてみる方がいろいろ考えやすいかもしれない」という話をしたりもしました。

 

パブリックリスニングは毎月1回・1時間の開催ですが、これまで続けてきて、その時間だけでも自分たちが所属する地域のことを考えるのは良いことだなぁと思うようになりました(たとえ、そこで出てきたアイデアのすべてが実現されなくとも)。英治出版だと「あ、今月もパブリックリスニングの日が近づいてきたよ!」と社内で話題になると、「今回のテーマはなに?」とか「アイデア考えなきゃね。」という会話が生まれます。筋トレのように、続けているうちにだんだんと地域のことを考える思考が鍛えられることによって、地域の課題や課題を解決に導くリソースが現れやすくなるかもしれません。

 

最後に余談ですが、英治出版は食いしん坊が多いので、パブリックリスニングが開催される朝に「コミュニティ・ブレックファースト」を準備しています。放送の前日までに渋谷にあるお店を調べて、朝ごはんに食べたいものを探します(朝ごはんを探す作業が、なかなか楽しい。笑)。第2回パブリックリスニングのときは七夕だったので、猿田彦コーヒーの七夕ブレンドと恵比寿駅前にあるMotherleaf Tea Styleのワッフルを、第3回のときは、代官山にあるGarden House Craftsのピーナッツクリームとあずきバターのパンを用意しました。第3回のときは社員のほかに、社外の2名の方にも参加していただき、一緒にパブリックリスニングをしながら朝ごはんを食べました。

 

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パブリックリスニングは、毎月第1木曜日10:00~10:55におこなっています。「渋谷のラジオ」のアプリをダウンロードして聞いていただくもよし、パブリックリスニング会場のひとつEIJI PRESS Labに来ていただくもよしです!(EIJI PRESS Labでは、コミュニティ・ブレックファーストが食べられます。)もちろん、ほかの会場でご参加いただくのもよしです!

 

次回のパブリックリスニングは9月1日(木)10:00~です。ご興味を持っていただいた方は、ぜひ参加していただければ嬉しいです。