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PASS THE BOOKについて、ご紹介します。

皆さん、こんにちは。今回のブログでは、これまでに何度か開催しているイベント「PASS THE BOOK」について、ご紹介したいと思います。筆者は、このイベントを企画・運営している英治出版の山見です。

PASS THE BOOKでは、毎回ゲストをお招きして、その方の座右の書をお持ちいただき、ご紹介してもらいます。その本のなにが好きなのか、その本からどんな影響を受けたのかなど、本への想いやその本にまつわるエピソードをお話してもらいながら、ゲストの人生に触れ、彼らの人生を感じるイベントです。ゲストのトーク、会場全体でのダイアログのあと、座右の書が参加者のおひとりにパス(プレゼント)されます。

実はこのイベント、はじめたきっかけは、greenz.jpの元編集長YOSHさんの「引っ越し」でした。

「もう読むことはないとわかっていても、大切にしていた本は捨てたり古本屋に持っていくのはとても偲びない。本への想いとともに、顔の見える誰かに渡すことができたら……。」そんなYOSHさんの想いに英治出版がコラボレーションする形ではじまりました。

毎回、1冊の本をつうじて見えてくる、ゲストの方の生き方や考え方から学びや気づきがあります。ただ、イベントでの学び・気づきは、必ずしも明日からすぐに役立つものではないかもしれません。どちらかと言えば、イベントの後日、じわりじわりと心に響くことが多いように思います。

例えば、マラリア・ノーモア・ジャパンの水野達男さんがゲストで来ていただいたときのこと。ビジネスマンとして必要なロジカルシンキングはすべてこの本から学んだ、と『企業参謀』(講談社文庫)をお持ちいただきました。仕事をするなかで、その内容をどんどん自分のものにしていかれた水野さん。けれど、その延長線上でのアフリカ赴任をきっかけに、体調を崩され「ロジックだけではダメなんだと気がついた」と水野さんは言います。それからは、ご自身のなかにあるセンサーによる反応、つまり直感を大切にしていることをお話してくださいました。いまは、ロジカルさも直感もうまく扱っているんだそうです。

このように、本の紹介にとどまらず、その本と生きてきたことで起こったことや発見を知ることができるのがおもしろいところです。

私にはこの話が印象的で、その日以降、これってセンサー反応してるやつかな? とか、ちょっと違うやつかな? など、直感について自分と対話をするようになりました。いまだに、どれが直感なのか、わからないときもありますが、たぶんこのプロセスを続けていくことに意味があるんじゃないか、水野さんもそんな感じだったのかなとじわりじわりと影響を受けているのを実感しています。

もちろん、ゲストの話を聴いての学び・気づきはそれぞれに違って、参加者の皆さんとのダイアログのなかで新たに気づくこともたくさんあります。

次回のPASS THE BOOKは明日、6月14日におこないます。ゲストにおこしいただくのは、世界を旅するノンフィクション作家の寺井暁子さん。

務めていた会社を辞め、世界中に散らばった同級生たちに会いにいった旅を綴った『10年後、ともに会いに』(クルミド出版)。そのあとの旅をつうじて書いた『草原からの手紙』(クルミド出版)。そして、現在執筆中の寺井さんがナイル川沿いのミュージシャンたちの旅を追った最新作『ナイル・ナイル・ナイル(仮題)』。どの作品も、彼女がなにかに突き動かされてでた旅がベースになっています。

ただ「突き動かされるもの」を信じて旅にでる一方で、やはり本当にこれでよかったのかな……と考えてしまうのも寺井さん。そんなふうに微妙に揺れ動きつづける寺井さんに「旅のかたちを示してくれた1冊」を今回ご紹介いただきます。

寺井さんのように、旅にでようかな、でもなぁ……という狭間にいる方、旅でなくとも、この選択をしてよかったのか? 本当にこれでよかったのか? と揺れ動いている方など、なにか次の方向性を見つけたり、一歩踏み出すヒントになるかもしれません。

個人的には、「突き動かされるもの」と「直感」は似ているような気もしていて、寺井さんがそれだとわかるとき、どんな感覚なのか興味があります。また、突き動かされるものや直感と理性の揺れとどうやって付き合われているのかを寺井さんに聞いてみたいと思っています。

当日は、寺井さんを囲んでお話を聴いたり、自由に質問したり、それぞれの楽しみ方で時間を過ごしてくださればと思います。ご参加希望の方はお申込みのうえ、当日会場へおこしください。お待ちしています。

▼次回PASS THE BOOK概要
・日時 2017年6月14日(水)19:00-21:30 ※開場18:45
・場所 EIJI PRESS Lab
・費用 2,000円
・申込 http://passthebook1706.peatix.com

4/19(水)に「PASS THE BOOK」を開催します。 ゲストはNPO法人マラリア・ノーモア・ジャパン 水野達男さん。

4/19(水)に開催するPASS THE BOOKに、『人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った。』著者で、NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパンの水野達男さんをゲストに迎えます。


PASS THE BOOK は、各界でご活躍の方をゲストにお招きし、さまざまなテーマでお持ちの本の中から「受け渡したい1冊」を用意してもらい、参加者のひとりに「贈る(=Pass)」イベントです。ゲストにその本を選んだ背景や本への想いなどを語ってもらいながら、参加者の皆さんと対話を通じて交流を深めていただきます。その後、参加者は対話を通じて得た気づきや学びをメッセージカードに記入し、そのなかのおひとりに本を贈呈します。

1冊の本をとおして、ゲストと参加者がお互いを深く知り、それぞれにとっての気づきや学びを得る。そんな場になればと思っています。

今回のテーマは、「海外でのビジネスにおいて、背中を押してくれた1冊」。水野さんがどの本を用意していただくかは、イベント当日まで秘密です。イベントの詳細・申込は下記リンクにお進みください。


 

今回のブログは、ひとりの読者として、英治出版の山見が水野さんの著書で印象に残ったところや、PASS THE BOOKで伺ってみたいことを書きました。

 

水野達男さんについて

▲水野さん著書
『人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った。』

米外資系企業勤務を経て、住友化学株式会社に入社された水野さん。2007年より、アフリカのタンザニアでマラリア予防蚊帳「オリセットネット」(住友化学の技術者が開発した、アフリカの環境でも長く効果が継続する防虫蚊帳)を製造・販売するジョイントベンチャーの日本側リーダーとして事業を軌道に乗せたあと、2012年にNPOに転身されました。

マラリア予防の蚊帳事業は、ビジネスの手法で途上国の貧困層の問題解決を目指す「BOPビジネス」の先駆事例として注目されましたが、その裏には、数々の苦労と失敗がありました。その経験が水野さんの人生観を変え、「マラリアで苦しむ人を1人でも減らす」という想いから、現在の活動をされています。

 

52歳のある日、アフリカが目の前に振ってきた…!そして、いつしかアフリカが大好きに。

実は、水野さんがアフリカと関わりはじめたのは、52歳のとき。予想もしていない、本当に突然のことでした。それ以降も、苦労や失敗がたくさんあったのに、「僕はアフリカやアフリカの人たちが大好きになっていった」と水野さんは言います。ある日突然、アフリカが目の前に振ってきてから、水野さんがアフリカにどっぷりはまっていく変遷が語られているのですが、何事もポジティブにとらえようとする姿には、水野さんがお持ちの哲学が表れているなと感じます。

“直感や流れに身を任せてもいいこと、
時には心地よい場所から出ること。”

“自分が大事にしている価値観に従うこと。”

“人生は選択の連続だ。自分の意志と責任で選び、
結果も引き受ける。それが成長につながる。”

私はこれらの言葉に大変共感したのですが、流れに身を任せ、時に心地よい場所から出ることは、勇気や不安が伴う場合もあるのかなと思いました。その場合、どうやって勇気や不安と向き合われたのか伺いたいと思いました。

 

携帯電話は持っているが、移動は徒歩、水汲みにはロバを連れるマサイ族。日本や欧米とは発展のプロセスやスピード感がかなり異なるアフリカ。

水野さんの経験から、興味が湧いてくるのが「アフリカ」という地域についてです。水野さんがはじめてアフリカと関わるようになった2007年、マサイ族の人は携帯電話を使っているにもかかわらず、移動は徒歩、水汲みに行く際はロバを連れていたそう。それが2013年頃になると、移動はバイク、水道はまだ通っていないので、水汲みはポリタンクを利用するという様子。日本や欧米とは発展のプロセスやスピード感がかなり違うことがわかります。

他にも、タンザニア工場の従業員が給料日の翌日から出勤しなくなったというエピソードがあるのですが、彼らには「働くモード」と「お金を使うモード」があるそうです。アフリカって実際どんなところなんだろう、どんな人たちがいるんだろう、そう思わずにはいられなくなりました。

 

生粋のマーケター、現地のスーパーマーケットに挑戦。

事業がはじまってからのしばらくは、国際機関からの資金を元に現地の保健省やNGOなどがオリセットネットを購入し、無償配布するか安価で提供するケースがほとんどだったそうです。そこで、マーケターとしてのキャリアを長く積まれてきた水野さんが挑戦したのが、現地の人のお財布から直接、オリセットネットを買ってもらうこと。ケニアのスーパーマーケットにオリセットネットを並べて行われたこのチャレンジは、なんと1年後には、現地でのトップシェア20%達成したというので、驚きです。どのようなステップでこの結果を得られたのか、工夫した点などを伺いたいと思いました。

 

「折り鶴」で品質管理を改善!

折り鶴と品質管理。一見、両者がどう関係しているのか、不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。水野さんは、日本人とタンザニアの工場で働く人たちが持つ「品質」の考え方があきらかに異なっていたことがわかったとき、折り鶴を用いて、各工程の責任者に対し、品質管理の研修を行いました。紙の端と端をきれいにそろえてから折る。その積み重ねで、ようやく美しい折り鶴が完成する。品質管理も同じことだよ、と。日本人にとって、馴染みのある折り鶴ですが、現地工場で働く従業員にとっては、驚くべき発見だったそうです。

品質管理の大切さへの理解を深めてもらうために、折り鶴を活用されたのは、名案だ…!と思いました。他にも、現地の方と協働するうえで活用されたアイデアなどがあれば、ぜひお聞きしたいと思いました。

 

水野さんをお招きしてのPASS THE BOOKは、4月19日(水)19:00開催です。「アフリカ」や「ビジネス」「キャリア」など、さまざまなトピックで水野さんとお話ができる機会ですので、ぜひいらしてください。

 

 

▼『人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った。』の内容に関連する書籍

『アフリカ 希望の大陸』

『BoPビジネス3.0』

『未来をつくる資本主義[増補改訂版]』
(住友化学の専務も推薦!)

『世界とつながるビジネス』

『日本人が海外で最高の仕事をする方法』

『異文化理解力』

※イベントにご参加の方は、英治出版の本が割引価格でご購入いただけます。