書籍情報
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アジア・アフリカの発展途上国で、携帯電話が急速に普及している。
その波は、これまで電気すら通っていなかったような地域、1日2ドル未満の所得で生活する「貧困層」の人々にまで及ぶ。
携帯電話によって、経済・社会全体がダイナミックに変化しはじめた。
情報通信が活発化し、農業も工業もサービス業も一気に発展。
アフリカの「貧困層」の人々が、ケータイで買い物をしているのだ!
だが、なぜ、そんな「貧しい」人々に、携帯電話が広まったのか?
物語は、世界でも最も貧しい国の一つ、バングラデシュから始まる。
戦争で荒廃した祖国の発展を夢見る起業家イクバル・カディーアは、バングラデシュでの携帯電話サービス立ち上げを考え、ただ一人、さまざまな企業や投資家に、その夢を説いて回る。
彼の夢に共鳴し、協力を申し出たのは、2006年ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の総裁、ムハマド・ユヌスだった。
さらに、ノルウェーの電話会社、ジョージ・ソロスら米国の投資家、日本の総合商社・丸紅、NGO、そして現地の人々・・・
夢は多くの人や企業を巻き込み、「グラミンフォン」が誕生する。
その衝撃は、アフリカ・アジア各国に、野火のように広がっている。
生活が変わり、ビジネスが生まれ、経済が興り、民主化が進む。
「貧困層」として見捨てられてきた、30億人の人々が立ち上がる。
世界が、大きく変わり始めた。
その全貌をドラマチックに描いた、衝撃と感動の一冊。
序章 「外燃機関」となる三つの力――IT、現地の起業家、外国人投資家
第1部 グラミンフォンの物語
1 「つながる」ことは生産性だ――起業家カディーアの夢と祖国
2 グラミン銀行と先駆者たち――ユヌス、ピトローダ、インドの「アンテナ屋」
3 牛の代わりに携帯電話――新たなパラダイムが見えてきた
4 投資するのか、しないのか。それが問題だ。――資金を求めて北欧へ
5 グラミンフォン、誕生――政府・官僚との闘いを越えて
6 貧困国から世界のトッププレーヤーへ――雄牛のように突進せよ
第2部 動き始めた巨大市場
7 BOPに広がる野火――アジア、アフリカ、30億人が立ち上がる
8 時代を一気に飛び越えろ――途上国で加速するMコマース
9 援助ではなく、ビジネスチャンスを――すべてに利益をもたらす「包括的資本主義」
10 携帯電話を超えて――カディーアとBRACの新たな挑戦
11 静かなる革命――変貌し続けるバングラデシュ
エピローグ