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シナリオ・プランニング――未来を描き、創造する

シナリオ・プランニング――未来を描き、創造する

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ウッディー・ウェイド(著), 野村恭彦(監修), 関美和(訳)

価格 2,640円(税込)
頁数
判型・製本 B5変形判 並製
発売日 2013/11/12
ISBN 9784862761651
発行 英治出版

内容紹介


これからは「シナリオを思い描ける人」の時代だ。 ――神田昌典(経営コンサルタント)


明日のことは、だれもわからない。だからこそ、未来を大胆に想像しよう!
戦略立案、グランドデザイン設計、ビジョン共有、商品開発……


60年以上にわたって企業や組織、個人で使われてきた「イノベーション創造」の技法を
トレンド予測、ビジネス展望のスペシャリストが豊富な事例をもとに解説。


■シナリオ・プランニング
その歴史は古く、第2次世界大戦後のアメリカ空軍にはじまり、大企業、政府系組織などでも戦略立案の手法として使われてきました。
ロイヤル・ダッチ・シェル社、アパルトヘイト後の南アフリカがシナリオ・プランニングの代表例ですが、何も大企業や国家機関だけに有効な手法というわけではありません。まわりにいる同僚やコミュニティの人たちを集めてやってみるのもいいですし、今後のキャリアや人生を考えるうえでは、自分ひとりでやることも可能です。
たとえばこの本では、著者ウッディーと息子マルコム君が『ハリー・ポッター』の初版本を「できるだけ高く売る」ために、シナリオ・プランニングを使って見事に89倍の値段で売ったケースなど、いろいろなフィールドでの活用法が紹介されています。
事業計画から商品開発、地域活性まで、「未来に関わる」すべての人のための手法。
――それが、シナリオ・プランニングなのです。

■計画ではなく行動のためのツール
シナリオ・プランニングというと、名前の印象から「計画」のためのツールと思われがちですが、最大の特徴は「行動」を支援するところにあります。
シナリオ・プランニングとは、「必ず起きること」を予測するものではなく、むしろ「起きるか起きないかわからない」未来を複数描き、それに備えようとする方法論です。
それゆえ、よいシナリオを書くことよりも、組織の中のできるだけ多くのメンバーがシナリオ作成のプロセスに参加することに重きを置きます。
その結果、未来を考える共通言語を持ち、ストーリーとして変化の要因を理解するため、変化の兆しが現れたらいつでも行動に移せるよう準備ができるのです。

■シナリオ作成のためのステップ
STEP1 課題を設定する
STEP2 情報を収集する
STEP3 未来を動かす「ドライビング・フォース(原動力)」を特定する
STEP4 未来を左右する「分かれ道」になるような要因を見つける
STEP5 シナリオを考える
STEP6 骨組みに肉付けし、ストーリーを描く
STEP7 シナリオを検証し、追加の調査項目を特定する
STEP8 シナリオの意味をくみ取り、取りうる対策を決める
STEP9 目印を探す
STEP10 シナリオを観察し、更新する
未来のストーリーを生き生きと語る


自分の人生を考える上でたくさんのストーリーや世界観に触れ、 「こんな人生もあるかも」と複数のシナリオを想定し、今の自分の行動を変えていく。 それが、シナリオ・プランニングの考え方です。 そして本書の最大の活用法は、ここで示された手法にもとづき、 あなたのチーム、組織、地域の仲間と一緒に未来シナリオを作ることです。
――野村恭彦(「監訳者まえがき」より)

問題は、未来が現在と違うことだ。 もし、これまでと違う考え方ができなければ、かならず未来に驚かされるだろう。
――ゲイリー・ハメル(本文より)

<構成>
監訳者まえがき――野村 恭彦
イントロダクション
CHAPTER1 「現在の呪縛」から逃れる
CHAPTER2  シナリオ・プランニングの作法
CHAPTER3  ケーススタディ
CHAPTER4  ブラック・スワン
CHAPTER5  準備はいいか?
あとがき――考えられないことを考える
謝辞
訳者あとがき

目次

監訳者まえがき――野村 恭彦
イントロダクション

CHAPTER1 「現在の呪縛」から逃れる
これまでのプランニングのやり方でいいのだろうか?
未来は予測するな!—想像しよう
未来はリーダーシップにかかっている
シナリオ≠予知

CHAPTER2  シナリオ・プランニングの作法
ロケットサイエンス?
STEP1 課題を設定する
STEP2 情報を収集する
STEP3 未来を動かす「ドライビング・フォース(原動力)」を特定する
STEP4 未来を左右する「分かれ道」になるような要因を見つける
STEP5 シナリオを考える
STEP6 骨組みに肉付けし、ストーリーを描く
STEP7 シナリオを検証し、追加の調査項目を特定する
STEP8 シナリオの意味をくみ取り、取りうる対策を決める
STEP9 目印を探す
STEP10 シナリオを観察し、更新する
未来のストーリーを生き生きと語る

CHAPTER3  ケーススタディ
ケーススタディ①世界新聞協会
さて、どうする?
ケーススタディ②とある島国の国家産業機構
さて、どうする?
ケーススタディ③インド政府と世界銀行
シナリオ・マトリックス 第1回目
シナリオ・マトリックス 第2回目
エピローグ
ケーススタディ④ビジット・スコットランド(スコットランド観光局)
イラク戦争
シナリオを作る

CHAPTER4  ブラック・スワン
必読書
歴史上のブラック・スワン
もしも……だとしたら?

CHAPTER5  準備はいいか?
トレンド①人口動態—人材競争
トレンド②中国の独身男性—「裸の枝」
トレンド③都市化—巨大な器
トレンド④90代が60代になるとき
トレンド⑤教育を再定義する—少しずつ積み上げる
トレンド⑥ウェブ9.0—私たちをどう変えるか?

あとがき――考えられないことを考える
謝辞
訳者あとがき

著者

[著者]
ウッディー・ウェイド(Woody Wade)
30年以上にわたりトレンド予測、ビジネス展望などを欧州、アジア、アメリカで行うコンサルタント。スイスのプライベート・バンクを経て、Wade & Companyを創業。ハーバード・ビジネススクールでMBA取得。国際マーケティングや戦略開発の分野で定評があり、世界経済フォーラムのエグゼクティブ・ボードメンバー、ローザンヌ・ホテルスクールのマーケティング・ディレクターなどを歴任。

[監訳者]
野村恭彦(のむら・たかひこ)
株式会社フューチャーセッションズ代表取締役社長、金沢工業大学(K.I.T.)虎ノ門大学院教授、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主幹研究員。博士(工学)。富士ゼロックス株式会社にて事業変革ビジョンづくり、新規ナレッジサービス事業KDI立ち上げなどに従事。2012年6月、企業、行政、NPOを横断する社会イノベーションをけん引するため、株式会社フューチャーセッションズを立ち上げる。著書に『フューチャーセンターをつくろう』(プレジデント社)など。

[訳者]
関美和(せき・みわ)
翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。電通、スミス・バーニー勤務の後、ハーバード・ビジネススクールでMBA取得。モルガン・スタンレーを経てクレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める。主な翻訳書に、クリス・アンダーソン『MAKERS』(NHK出版)、スコット・ベルスキ『アイデアの99%』(英治出版)など。