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パワー・ハングリー――現実を直視してエネルギー問題を考える

パワー・ハングリー――現実を直視してエネルギー問題を考える

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ロバート・ブライス(著), 古舘恒介(訳)

価格 2,420円(税込)
頁数 432頁
判型・製本 四六判 上製
発売日 2011/07/20
ISBN 9784862761125
発行 英治出版

内容紹介

エネルギーの未来を、じっくり考えてみよう。
『ウォールストリートジャーナル』『ワシントンポスト』など各紙誌絶賛!
極論や思い込みを退け、ビジネスと科学の視点で真実を探る

私たちの生活すべてに関わる「エネルギー」。原油価格の変動、グリーン・
エネルギーの流行、バイオエタノールをめぐる騒動、シェールガス革命、原
子力についての激論……状況の不確実性と深刻さが強まる今日、エネルギー
は私たち一人ひとりが考えるべき問題となっている。だが、あふれる情報の
なか、何を信じ、何を論じ、何を判断の拠り所とすればいいのだろう?

――こうした問題意識のもと、米国の気鋭のジャーナリストが「現実主義」
に徹してエネルギー問題を論じたのが本書『パワー・ハングリー』である。
極論や根拠なき楽観を退け、ごく普通の人々の視点を保ちつつエネルギー産
業の奥深くを探究した本書は、2010年4月に発売されるや『ウォールストリ
ートジャーナル』はじめ各紙誌で絶賛され、大きな反響を呼んできた。

なぜ人類は化石燃料に依存し続けるのか、グリーン・エネルギーの抱える問
題は何か、原子力は使い続けるべきなのか、エネルギーシフトは何をもたら
すのか。豊富なデータとわかりやすい物理的説明、ビジネスと経済の視点を
踏まえて問題の核心に迫る、知的興奮に満ちた一冊。真に私たちの未来を担
えるエネルギーは何なのか?

『パワー・ハングリー』特設サイト
「まえがき」全文や「エネルギー問題をじっくり考えるための15冊」など掲載!

目次

日本語版 訳者まえがき
イントロダクション カーディナル炭鉱

第I部 パワーを求めて
1 エネルギーをめぐる初級講座
2 ハッピー・トーク
3 エネルギーとパワーの違い
4 薪から石炭へ、石炭から石油へ
5 石炭をめぐる見過ごせない事実
6 石油がないなら石油をつくれ
7 27個のサウジアラビア

第II部 グリーン・エネルギーの真実
8 パワー密度の壁
9 風力発電は二酸化炭素を減らすか
10 エネルギー先進国デンマークの実状
11 石油王ブーン・ピケンズの夢
12 風力発電は天然ガス需要を増やす
13 中国が支配するレアアース
14 米国のエネルギー効率は悪いのか
15 気候変動とエネルギー問題
16 炭素よりも重金属に要注意
17 貧困層に化石燃料を
18 役に立たないエタノール
19 電気自動車は普及するか
20 バイオマス発電の限界

第III部 現実的なエネルギー政策とは
21 なぜ今、N2Nなのか
22 ガスと規制の短い歴史
23 シェールガス革命
24 鉱業権の巨大な価値
25 天然ガスに伴う痛み
26 原子力を冷静に評価する
27 核廃棄物をどうするか
28 イノベーションへの期待

第IV部 未来に向かって
29 グリーン革命を問い直す
30 安くて豊富なエネルギーを求めて

付録
訳者解説 エネルギー問題における理想と現実の狭間で
参考文献
原注

著者

[著者]
ロバート・ブライス(Robert Bryce)
米国のジャーナリスト。ニューヨークの政策シンクタンク、マンハッタン・インスティチュートのシニアフェロー、エネルギー業界専門誌『エナジー・トリビューン』主幹。資源・エネルギー問題をはじめ経済問題を専門とし、『ニューヨークタイムズ』、『ワシントンポスト』、『USニューズ&ワールド・レポート』はじめ主要紙誌多数で活躍、CNNやBBCなどにも頻繁に出演。この分野で最も影響力あるジャーナリストの一人と目されている。著書に『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌2002年ベストブックに選ばれたPipe Dreams: Greed, Ego, and the Death of Enron (2002)、Gusher of Lies: The Dangerous Delusions of "Energy Independence" (2009)などがある。

[訳者]
古舘恒介(ふるたち・こうすけ)
1994年慶應義塾大学理工学部応用化学科卒。同年日本石油入社後、リテール事業、イリノイ大学MBAプログラムへの留学(2001年卒)、LNG事業、総合企画、内閣府への出向を経て、現在、JX Nippon Oil Exploration (U.S.A.) Limited勤務。米国テキサス州ヒューストン在住。